建築の宿命に挑む

建築の宿命に挑む

建築の宿命。それは「フロアの積層」=「垂直構造」。
通常の建築物は構造的に垂直方向の軸線を持ちます。これは宿命というか自然の摂理。限られた平面の土地により多くの空間を確保するためには当たり前のこと。上へ上へのびる伸びるノビル・・・
そんな制約の下で外観に独自性を持たせるため,このところ世界的に流行(?)しているのが「ねじれ」と「ななめ」。このブログでもいくつか紹介してきました。

一方で古くから存在する古典的アイデアにcantilever(キャンティレバー/片持ち梁)があります。水平方向へ張り出す「梁」はまるで重力から解放され宙に浮いているような不思議な感覚を与えてくれます。
キャンティレバーと聞いて真っ先に思い浮かべるのは,やはりこれ。
清流に覆い被さるコンクリート・スラブの積層,アメリカ人が好きな建築作品第1位!

Fallingwater by Frank Lloyd Wright
「落水荘」 フランク・ロイド・ライト ピッツバーグ郊外 1937年

そして最近,このキャンティレバーを新たな形で大胆に取り入れたアイデアが次々と出現しています。
シンガポール「マリーナ・ベイ・サンズ」,中国「深圳証券取引所」などなど・・・
発展するアジアを感じさせます。日本でないところがすこし寂しい・・・

Marina Bay Sands by Moshe Safdie
世界最大級65mのキャンティレバー!

The Shenzhen Stock Exchange by OMA(Office for Metroporitan Architecture)
雨の日の待ち合わせはこのビルの前で!


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