Dennis Hopper

Dennis Hopper

Dennis Lee Hopper May 17, 1936 – May 29, 2010

互いの好きなデニス・ホッパーについて親父と話す。
親父の考えるベスト出演作は『イージー・ライダー』。僕は『ブルーベルベット』を選出。
この2本を続けて観た。

ヒッピー,ドラッグ,殺人。それまでのアメリカ映画が避けてきたタブーを,カウンター・カルチャーの寵児ピーター・フォンダとデニス・ホッパーが名手ラズロ・コバックスの撮影で鮮烈な映像に焼きつけた。
感性の映画だから深く分析したりするというものでもないし少し甘ったるいところもあるけれど,時代の空気を見事に伝えている。
この時代にアメリカで不良やるのは実は命がけだった。
ドラッグやヒッピーのコミューンが出てきて,人間関係のあり方にしても頑張っている。
それが〈田舎〉と出会うと,髪が長いってだけで撃ち殺されちゃうのだ。


Watch on YouTube

クラブの真っ赤なステージに青いライトで浮かび上がったドロシー(イザベラ・ロッセリーニ)。真っ青なアイシャドウに真っ赤な唇,黒いドレスに黒い髪。気だるく甘い甘い歌声で「ブルーベルベット」を歌う。腐りかけた花のような美しさ。
「パパのお帰りだ!股を開け。見せろ!」
このとき,イザベラ・ロッセリーニは実際に下着を着けていない。デニス・ホッパー演じるフランクはガスボンベを取り出して吸い始める。ガスで赤ちゃんの声になったフランクは甘える。「ママー,ボクちん,ママとFuckしたいの」そして普通の声で怒鳴る。「さあ,Fuckの準備をしろ!」
またガスを吸って「ボクちん,ベルベットが欲しいの!」と言いながらフランクはブルーのガウンを切って,一つの切れ端をドロシーの口,もう一つを自分の口,さらにもう一つをドロシーの股間に突っ込む。「ママー!」
ベルベットが柔毛に覆われた子宮の壁のメタファーなのは明らかだ。

デニス・ホッパーはフランク役を求めて,監督のデヴィット・リンチにこう迫った。
「フランクは俺が演る!なぜなら俺がフランクだからだ!」


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

Post navigation

  Next Post :
Previous Post :